Burgers方程式/代表的な解

Burgers方程式をHopf-Cole変換によって拡散方程式に帰着することができる.

拡散方程式は,同次の線形微分方程式であるから解の重ね合わせを利用することができる.

これを応用して,Burgers方程式の代表的な解である「一様解」,「衝撃波解」を見ることにする.

一様解

任意の定数\( u_1, c_1 \)に対して,

$$ \psi(x, t) = \exp{\left( – \frac{u_1}{2 \nu}x + \frac{u^2_1}{4 \nu}x – c_1 \right)} \tag{1}$$

を考えると,これは明らかに拡散方程式の解である.

(一応確認すると・・・)

$$ \psi_t = \frac{u^2_1}{4 \nu} \exp{\left( – \frac{u_1}{2 \nu}x + \frac{u^2_1}{4 \nu}x – c_1 \right)} = \frac{u^2_1}{4 \nu} \psi \tag{2}$$

同様にして,

$$ \psi_x = – \frac{u_1}{2 \nu}  \psi \tag{3}$$

$$ \psi_{xx} = \frac{u^2_1}{4 \nu^2}  \psi \tag{4}$$

が得られて,確かに拡散方程式を満たすことがわかる.

式(1)をHopf-Cole変換にかけると,

$$ u = – 2 \nu \frac{\psi_x}{\psi} = – 2 \nu \frac{-(u_1/2 \nu)\psi}{\psi} = u_1 \tag{5}$$

これは,定数\( u_1 \)が一様に分布しているという一様解である.この解を用いると,衝撃波解も導ける.

衝撃波解

任意の定数\( u_1, c_1, u_2, c_2 \)に対して,

$$ \psi_1 = \exp{\left( – \frac{u_1}{2 \nu}x + \frac{u^2_1}{4 \nu}x – c_1 \right)}, \psi_2 = \exp{\left( – \frac{u_2}{2 \nu}x + \frac{u^2_2}{4 \nu}x – c_2 \right)} \tag{6}$$

も拡散方程式の解であり,これらの和\( \psi = \psi_1 + \psi_2 \)も重ね合わせの原理より解になる.この\( \psi \)についてHopf-Cole変換を行うと,

$$ u = -2 \nu \frac{\psi_x}{\psi} = -2 \frac{(\psi_1 + \psi_2)_x}{\psi_1 + \psi_2} = -2 \frac{(-u_1/2\nu)\psi_1+(-u_2/2\nu)\psi_2}{\psi_1 + \psi_2} = \frac{u_1\psi_1+u_2\psi_2}{\psi_1+\psi_2} \tag{7}$$

ここで,

$$ \frac{\psi_1}{\psi_2} = \exp{\left[ -\frac{1}{2 \nu}(u_1 – u_2)x + \frac{1}{4 \nu}(u^2_1 – u^2_2)t – (c_1 – c_2) \right]} = \exp{\left[\frac{1}{2 \nu} (u_2-u_1) \left( x – \frac{u_1+u_2}{2}t – x_0 \right) \right]} = \exp{\theta}\tag{8}$$

なる\( \theta, x_0\)を使えば,\( u\)は以下のように表される

$$ u = \frac{u_1 \exp{(\theta/2)} + u_2 \exp{(\theta/2)}}{\exp{(\theta/2)}+\exp{(-\theta/2)}} = \frac{1}{2}(u_1+u_2) – \frac{1}{2}(u_2-u_1) \frac{\exp{(\theta/2)}-\exp{(-\theta/2)}}{\exp{(\theta/2)}+\exp{(-\theta/2)}}\tag{9}$$

ここで,

$$ \tanh x = \frac{e^x-e^{-x}}{e^x+e^{-x}} \tag{10}$$

を導入すると,式(9)は

$$ u = \frac{1}{2}(u_1+u_2) – \frac{1}{2}(u_1-u_2) \tanh{\theta/2} \\ = \frac{1}{2}(u_1+u_2) – \frac{1}{2}(u_1-u_2) \tanh{\left[\frac{1}{4 \nu} (u_2-u_1) \left( x – \frac{u_1+u_2}{2}t – x_0 \right) \right]} \tag{11}$$

と変形でき,解が導かれる.

これは,Burgers方程式の衝撃波解と呼ばれる.

ここで,\( x \rightarrow – \infty \)での一定状態 \( u = u_2 \)と\( x \rightarrow + \infty \)での一定状態 \( u = u_1 \)を考える( \( u_1 < u_2 \))と,

\(- \infty < x < \infty \)において\( u = u_2\)と\( u = u_1\)をスムーズに結ぶ波形を持ち,一定速度\( c = (u_1 + u_2)/2 \)で波形を変えることなく定常に進行する解になる.

下の動画は\( u_1 = 1, u_2 = 3\)とした時の例で,衝撃波が一定速度2で進んでいるのがわかると思う.

 

衝撃波の合体

重ね合わせを利用すれば,基本解がいくつであろうと解を導ける.例えば,

$$ \psi_1 = \exp{\left( – \frac{u_1}{2 \nu}x + \frac{u^2_1}{4 \nu}x – c_1 \right)}, \psi_2 = \exp{\left( – \frac{u_2}{2 \nu}x + \frac{u^2_2}{4 \nu}x – c_2 \right)}, \psi_3 = \exp{\left( – \frac{u_3}{2 \nu}x + \frac{u^2_3}{4 \nu}x – c_3 \right)} \tag{11}$$

という三つの基本解を考えると,これらの重ね合わせ\( \psi = \psi_1+\psi_2+\psi_3\)も拡散方程式の解であるので,先と同様の手順でBurgers法て式の解が導かれる

$$ u = – 2 \nu \frac{\psi_x}{\psi} = \frac{u_1\psi_1+u_2\psi_2+u_3\psi_3}{\psi_1+\psi_2+\psi_3} \tag{12}$$

ここで, \( u_1 < u_2 < u_3\)という大小関係を考えると,下の動画のような衝撃波の合体のプロセスを表す解になる.

後方にある \( u_2 = 2,  u_3 = 3\)を結ぶ早い衝撃波が速度2.5で前方の \( u_1 = 0,  u_2= 2\)を結ぶ遅い衝撃波に追いついて,

\( u_1 = 0,  u_3 = 3\)1つの衝撃波に変わるのがわかると思う.

参考文献(より正確な記述はこちらを参照してください)

  • 田中光宏 (2017).非線形波動の物理,森北出版,p28-35参照

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